PCを起動したら突然、黒い画面に 「Realtek PCE-E Gigabit Ethernet Boot Agent」 と表示され、Windowsが立ち上がらなくなった…。
初めて見る画面に驚き、どう対処すれば良いのか分からず困っていませんか?
実はこれは、**PCがネットワーク経由で起動しようとしている状態(PXEブート)**です。
多くの場合、BIOSの起動設定が変わった か、LANカードを後付けしたことによって起動順序が変化したことが原因です。筆者も同じ症状に悩みましたが、BIOSでBoot Agentを無効化しただけで無事にWindowsが起動しました。
今回は、パソコンに詳しくない初心者の方でも理解できるように、原因と解決方法を一から解説します。
さらに、BIOS画面への入り方や、メーカーごとに異なるキー操作(F2、Del、F10など)についても詳しくご紹介。
この記事を読めば、Realtek Boot Agentの表示を解消し、スムーズにWindowsを起動できるようになります。
Realtek PCE-E Gigabit Ethernet Boot Agentとは?

Realtek Boot Agentはネットワーク起動用のプログラム
Realtek PCE-E Gigabit Ethernet Boot Agentとは、Realtek製のLANカード(ネットワークカード)に搭載されている**ネットワーク起動用のソフトウェア(PXEブート機能)**です。
通常、パソコンは次の順序で起動します。
- 内蔵ストレージ(SSDやHDD)
- 外付けUSBやDVDドライブ
- ネットワーク(LANケーブル経由)
- FD(フロッピー)
この画面が表示されるのは、内蔵ストレージから起動できなかったため、ネットワーク起動を試みている状態です。
表示される典型的なメッセージ
PCを起動すると、以下のようなメッセージが出ることがあります。
Realtek PCE-E Gigabit Ethernet Boot Agent
Press Shift-F10 to configure
この場合、内蔵ストレージが見つからず、最終的にLANからの起動を試みて失敗したことを意味します。
Realtek Boot Agentが表示される主な原因
この問題が発生するのは、以下のいずれか、もしくは複数が組み合わさっている可能性があります。
1. BIOSの起動順序が変わった
PCの電源を入れると、まずBIOS(基本設定プログラム)がどのデバイスから起動するかを確認します。
この順序が何らかの理由で変わり、Realtek Boot Agent(LAN)が優先されてしまったために起動できなくなるケースです。
よくある原因
- CMOSクリアやBIOSの初期化が行われた
- BIOSアップデート後に設定が初期化された
- PCの電池(CMOSバッテリー)が切れて設定がリセットされた
2. LANカードを追加した際にPXE機能が有効化された
デスクトップPCに後付けでLANカードを取り付けた場合、そのLANカードに搭載されているPXE機能が優先されることがあります。
この結果、本来起動すべきSSDやHDDよりもLANからの起動が優先されてしまう状態になります。
3. 内蔵ストレージ(SSDやHDD)が認識されていない
さらに深刻なケースとして、ストレージ自体がBIOSで認識されていない場合があります。
可能性のある原因
- SSD/HDDの接続ケーブルが緩んでいる
- ストレージの故障
- SATAポートが無効化されている
- M.2 SSDの取り付け不良
この場合は、BIOS設定を直しても起動できません。
Realtek Boot Agentの解決方法【初心者向け完全手順】
ここからは、具体的な解決方法をステップごとに解説します。
初心者の方でも迷わないように、手順を丁寧に説明します。
手順1:BIOS画面を開く
Realtek Boot Agentを無効化するには、まずBIOSにアクセスする必要があります。
BIOSに入るには、PCのメーカーによって異なるキーを起動直後に押します。
代表的なBIOSキー
メーカー / PCタイプ | BIOSに入るキー |
---|---|
自作PC(ASUS、MSI、GIGABYTEなど) | Delキー |
NEC、富士通、東芝、Dynabook | F2キー |
HP | F10キー |
Lenovo | F1キーまたはF2キー |
Dell | F2キー |
Acer | F2キー |
VAIO | F2キーまたはAssistボタン |
※これ以外でもマザーボードの年代やPC発売の年代で変わる事があります。
ポイント
- 電源を入れたらすぐに連打する(押したまま)
- メーカーによっては「Press F2 to enter Setup」と表示される
手順2:起動順序(Boot Priority)を確認・変更
BIOSに入ったら、まずは起動順序を確認しましょう。
起動順序が正しい例
- HDD/SSD(Windowsが入っているストレージ)
- USBドライブ
- LAN(Realtek Boot Agent)
起動順序が間違っている例
- LAN(Realtek Boot Agent)
- HDD/SSD
この場合は、HDDやSSDを一番上に移動させてください。
設定方法の例
- 「Boot」タブを開く
- 起動順序を変更
- 方向キーや「+」「-」キーで順番を入れ替える
- F10キーで保存して再起動
手順3:LANからの起動(PXE Boot)を無効化

LANから起動する機能自体を完全に無効化してしまう方法です。
設定例
- 「Advanced」・「Boot」・「Devices」などのタブに移動
- Boot Agent / PXE Boot を [Disabled(無効)] に設定
- 設定を保存して再起動(F10キー)
手順4:ストレージの認識を確認
それでも解決しない場合は、SSDやHDDが認識されていない可能性があります。以下の場合はいきなり出る事少なくPCIやドライブなど何かを追加や設定変更した際に出る事があります。
確認するポイント
- BIOS画面内でストレージが表示されているか
- 接続ケーブルがしっかり挿さっているか
- SATAモードが無効化されていないか
- M.2 SSDの場合はネジがしっかり締まっているか
物理的なトラブルも疑う
- ケーブルを交換してみる
- 別のポートに差し替えてみる
- 別のPCでストレージを確認する
まとめ
- Realtek Boot Agentはネットワーク起動用の機能
- Windowsが起動せずにこの画面が出るのは、ほとんどがBIOSの起動順序の問題
- LANカードを追加した際はPXE機能が有効化されてしまう場合がある
- 解決の流れは次の通り
- BIOSに入る(F2、Delなど)
- 起動順序をHDD/SSD優先に変更
- PXE Bootを無効化
- それでもダメならストレージの接続を確認
コメント