宿泊税(しゅくはくぜい)は、旅館やホテルに泊まった時に宿泊代金とは別に徴収される税金のことで、各自治体条例で独自に実施している法定外目的税で地方税の一種です。
一般的には観光地や都市などの宿泊施設において、宿泊者に対して一定の割合の税金が課されます。
この税金は、地方自治体や国が観光振興や地域開発のために導入し、収益の一部を使用します。
日本以外でも名前は違っていても同様な税金が導入されています。
宿泊税の収益は、一般的には地域の観光振興や地域開発、観光施設の整備などに活用され、地域の魅力や観光資源の発展に寄与することを目的として利用されます。
一例ですが、宿泊税の一部を使い「観光案内看板」など観光地に行きやすくするための看板や日本語以外の多言語看板の設置などに使用されていますが、使用範囲はこの限りではありません。
地域に因って異なる宿泊税の一覧
宿泊税が必要な県や都市の金額などです、記事作成時の2023年4月時点の地域です。
課税にかかる税率は自治体で異なりますので記載時の宿泊税についてまとめています。
宿泊にかかる税金ですので、一般的に素泊まりと言われる(駐車料金や朝食・夕食代など食費(相当額)を除いた)、宿泊料金に課税されますので宿泊に付随する料金は含まれませんが、宿泊料金の中に朝食や夕食その他サービスが含まれる場合はその相当額に対する料金が分からず課税されてる印象がありますが、宿泊者側には説明がない事が多くあやふやな感は否めません。
クレジットカード決済で事前に支払いを済ませていても現地での支払いがあります、また連泊の場合は1泊の料金を掛けた分の宿泊税が必要です。また一泊目との料金差がある場合は宿泊税額が異なる事もあります。
- 東京都:1人あたり1泊の宿泊費が10,000円が境で異なります。
・10,000円未満の場合は0円(人)
・10,000円以上15,000円未満の場合は100円(人)
・15,000円以上の場合は200円(人) - 福岡県福岡市:1人あたり1泊の宿泊費が20,000円が境で異なります。
・20,000円未満の場合は200円(人)
・20,000円以上の場合は500円(人) - 福岡県北九州市:1人あたり1泊の宿泊費
・200円(人) - 福岡県(福岡市・北九州以外):1人あたり1泊の宿泊費
・200円(人) - 石川県金沢市:1人あたり1泊の宿泊費が20,000円が境で異なります。
・20,000円未満の場合は200円(人)
・20,000円以上の場合は500円(人) - 長崎県長崎市:1人あたり1泊の宿泊費が10,000円未満、20,000円が境で異なります。
・10,000円未満の場合は100円(人)
・10,000円以上20,000円未満の場合は200円(人)
・20,000円以上の場合は500円(人) - 北海道虻田郡倶知安町:固定金額では無く税率が決まっています
・2%(人) - 大阪府:1人あたり1泊の宿泊費が7,000円が境で異なります。
・7,000円未満の場合は0円(人)
・7,000円以上15,000円未満の場合は100円(人)
・15,000円以上20,000円未満の場合は200円(人)
・20,000円以上の場合は300円(人) - 京都府京都市:1人あたり1泊の宿泊費が20,000円が境で異なります。
・20,000円未満の場合は200円(人)
・20,000円以上50,000円未満の場合は500円(人)
・50,000円以上の場合は1,000円(人)
比べると京都市がずば抜けて高額に見えますが20,000円前後では、ほぼ横ばい状態です、また京都市はオーバーツーリズムが地域住民の問題になっているので仕方のないこととも思えます。
福岡県は福岡市・北九州市以外では支払う料金が一緒の場合でも「県税・市税」の区分が違う為分けています。
今後導入の可能性が有る地域
記事作成時点では導入がされていないが、検討された事がある地域です、地元の方の反対で導入がされていませんが一度は議題に上がった地域ですので今後導入される事が考えられます。
いづれの地域も2019年2020年などに検討されていたので、コロナ感染で移動制限があったなかの事でしたので、今後インバウントなど旅行者が増えると導入議論が再燃する事もありますので注視が必要です。
以下は導入検討段階の事です、決定事項ではありません。
宮城県:1人あたり1泊の宿泊費が3,000円が境で異なります。
・3,000円未満の場合は0円(人)
・3,000円以上の場合は300円(人)
沖縄県:1人あたり1泊の宿泊費が5,000円が境で異なります。
・5,000円未満の場合は0円(人)
・5,000円以上20,000円未満の場合は200円(人)
・20,000円以上の場合は500円(人)
参考記事:全国商工新聞
沖縄県の石垣市、宮古島市、本部町、北谷町、恩納村は2026年までには導入を目指し検討しています。
導入時期
実際には自治体の判断で検討導入されますので時期が違ってきます、導入された日はいつなのか記載。
- 東京都:2002年(平成14年)10月1日
- 大阪府:2017年(平成29年)1月1日
- 京都府京都市:2018年(平成30年)11月1日
- 石川県金沢市:2019年(平成31年)4月1日
- 北海道虻田郡倶知安町:2019年(平成31年)11月
- 福岡県:2020年(令和2年)4月1日
- 長崎県長崎市:2023年(令和5年)4月1日
改定があった地域は導入時期を記載。
宿泊税の問題点と批判
宿泊税には当然一定の批判や問題提起や業界からの不安意見も存在します。
宿泊税の問題点は、その使途の透明性に関する不透明さです。観光の為に導入された宿泊税で観光客が減少しては本末転倒です。
宿泊税導入で批判されるポイントは、税金の徴収と使途の間に透明性や責任追及の仕組みが欠如していることです。
税金の使途が観光振興や地域開発に本当に役立っているのか、明確な情報が提供されず、信頼性が欠ける点も指摘されています。
税金の透明な運用が求められ、観光業界や地域社会の発展に寄与するためにも、使途の公開や報告、監査制度の整備が必要です。
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