ゼラチンの原点ともいえる「にかわ」の魅力をより多くの人に知ってもらうのが目的に日本ゼラチン・コラーゲン工業組合(設立:1964年6月)が制定。
古来より弦楽器の製作に欠かせない素材として重宝されてきた「にかわ」(膠)は、動物の皮や骨から抽出されるコラーゲンを主成分とするゼラチンの一種です。その歴史は古く、日本では奈良時代から使用されていたと言われています。
にかわは、動物由来の天然素材であるため、環境に優しい接着剤として知られています。化学接着剤とは異なり、有害な揮発性有機化合物を放出することがなく、生分解性があるため、使用後の廃棄物による環境負荷が少ないのが特徴です。また、にかわは木材との親和性が高く、強力な接着力を持ちながらも、木材の呼吸を妨げずに自然な風合いを保つことができます。
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「にかわの日」を通して、にかわが持つ歴史的・文化的価値や、環境に配慮した素材としての利点を多くの人々に知ってもらうことで、伝統技術の継承と持続可能な社会の実現に貢献することが期待されています。また、にかわは弦楽器の製作だけでなく、木工芸品や家具、建築材料など、幅広い分野で活用されており、その用途は現代においても広がり続けています。
私たちが暮らす世界において、自然と調和しながら持続可能な発展を遂げていくために、にかわのような伝統的かつ環境に優しい素材の重要性は今後ますます高まっていくでしょう。「にかわの日」を契機に、この日本が誇る伝統的な接着剤の魅力と可能性を再発見し、次の世代へと受け継いでいくことが私たち一人一人に求められています。
日付は、1963年(昭和38年)11月7日に、日本にかわ・ゼラチン工業組合の創立総会が開かれ、現在の工業組合への第一歩を踏み出した記念すべき日としたことから。