1941年(昭和16年)2月12日に、イギリスのオックスフォード大学附属病院が、世界で初めてペニシリンの臨床実験に成功したことに由来。
医学史に輝く偉大な発見、ペニシリン。1928年(昭和3年)、イギリスの細菌学者アレクサンダー・フレミングが、実験室の培地に青カビが生えているのを発見したことから、この革新的な抗生物質の物語は始まりました。
ペニシリンが細菌の細胞壁を破壊するという画期的な作用機序です。これにより、それまで不治の病とされていた多くの感染症が治療可能となり、人類の平均寿命を大きく押し上げる原動力となりました。
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現代では薬剤耐性菌の出現という新たな課題に直面していますが、ペニシリンの発見は、近代医学の礎を築いた偉大な出来事として、今なお高く評価されています。
日本では、1943年(昭和18年)にナチス・ドイツの医学雑誌からペニシリンの存在が知られるようになり、陸軍軍医学校での開発が始まりました。1944年(昭和19年)には少量の生産に成功し、「碧素(へきそ)」として数人の患者に投与され実績を挙げましたが、大量生産には至らないまま終戦を迎えました。
しかし、1946年(昭和21年)以降、占領軍が招聘したテキサス大学のジャクソン・フォスター教授の指導のもとで、日本の製薬会社が生産を開始。1947年(昭和22年)からは病院を通じて日本中に普及し、感染症治療法の進化に拍車を掛けました。
このペニシリンの登場により、乳児から高齢者までの全ての年齢層において感染症による死亡率が著しく減少し、全体的な平均寿命の上昇に大きく貢献しました。