長野県小諸市にある温泉宿、中棚荘(なかだなそう)が制定。※当時は中棚鉱泉
この歴史ある宿は、明治の文豪・島崎藤村ゆかりの宿としても知られています。
数々の文化人や芸術家に愛され、1936年(昭和11年)5月19日に漂泊の俳人・種田山頭火(たねだ さんとうか、1882~1940年)が宿泊しました。
山頭火は、その日の宿泊に関する日記に「熱い湯に入れて酒が飲めるのがいい」と記し、心の安らぎと歓びを表現しています。この一節は、温泉と酒を愛した彼の人間味あふれる一面を垣間見ることができる貴重な記録です。中棚荘の敷地内には、山頭火を偲んで彼の句碑も建てられており、訪れる人々にその足跡を伝えています。この日記にちなんで記念日として登録されました。
スポンサーリンク山頭火は山口県佐波郡西佐波令村(現:防府市)の大地主・種田家の長男として1882年(明治15年)12月3日に生まれました。しかし、父親が経営する種田酒造場の破産や身体と精神の不調など、数々の苦難が彼の人生を暗転させました。それでも彼は俳句への情熱を失わず、生涯を通じて全国を歩き回り、放浪の生活を送りながら数多くの俳句を詠みました。
彼は、五・七・五に縛られない自由律俳句の代表として知られ、「昭和の芭蕉」とも称されます。彼の作品はその自由な表現と深い人間性が魅力であり、今なお多くの人々に感動を与え続けています。
故郷の防府市内各所には山頭火の句碑が83基設置されており、訪れる人々は彼の句碑を巡ることで、山頭火の生涯と作品に触れることができます。また2017年には「山頭火ふるさと館」が開設され山頭火の事を詳しく知る事が出来ます。