東京湾に残された貴重な干潟である谷津干潟は、1993年(平成5年)6月10日、国際的に重要な水鳥の生息地として「ラムサール条約」の登録湿地に認定されました。この干潟は都市部に位置しながらも、シギ・チドリ類をはじめとする渡り鳥の中継地として重要な役割を果たし、年間約100種もの野鳥が観察される生物多様性の宝庫です。
習志野市は、この国際的な認定を記念し、1997年(平成9年)6月10日を「谷津干潟の日」として制定。以来、毎年この日を中心に、自然観察会や環境学習イベントなどを開催し、市民の環境保全意識の向上に努めています。
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谷津干潟は面積約40ヘクタールという都市部としては比較的大規模な干潟で、国指定谷津鳥獣保護区にも指定されているほか、環境省の「日本の重要湿地500」にも選定されています。周辺には谷津干潟自然観察センターが設置され、環境教育の場としても活用されています。
かつて埋め立ての危機にあった谷津干潟が、今日まで保全されてきたのは、多くの市民や環境団体の熱心な保護活動があったからこそ。谷津干潟の日は、単なる記念日ではなく、都市と自然の共生の大切さを考える日でもあるのです。