1931年(昭和6年)、御所村(現:徳島県阿波市土成町)当時の徳島県知事の土居通次がを訪れた際に、村人たちは、知事の訪問を心から歓迎し、特別な料理でもてなそうと考えました。
村の人たちが心を込めて準備したのは、地域料理の大きな飯盆(はんぼう※寿司桶のような容器)に盛られた、たっぷりのうどんでした。
その中に入ったうどんは、湯気を立てながら彼の前に供されました。土居知事は、初めて目にするこの「たらいのような器」に盛られたうどんに驚きと好奇心を抱きました。そして、その豪快な見た目とは対照的に、うどんを一口味わった時の繊細な風味と、舌の上を滑らかに流れるつるりとした食感に思わず感嘆しました。「たらいの様な器に入ったうどんを食べてうまかった」と彼が述べたその感想は、やがてこの地域の特産物の名称となる逸話として語り継がれました。
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後に、その日が11月7日であると判断したことから、11月7日を「御所のたらいうどんの日」と阿波市土成町御所地区のたらいうどん専門店と市観光協会が制定した。以来、毎年11月7日に合わせて各店舗などでは「たらいうどん」を味わい、郷土の味と歴史を楽しむイベントが開催されます。