二十四節気のひとつである大寒は、小寒から立春の前日までの「寒の内」の真ん中あたりに位置し、一年でも最も寒い時期とされています。この時期は、冬の厳しさが極まる一方で、春の訪れを感じさせる微妙な変化も見られます。
各地で一年の最低気温が記録されることが多い大寒ですが、実は この時期の朝の水は腐りにくいと言われています。これは、低温のために細菌の活動が抑えられるからだと考えられています。この性質を利用して、昔から大寒の水を汲んで保存し、病気の予防や治療に用いられてきました。
また、大寒の日に産まれた卵は、栄養価が高いと言われています。寒さが厳しいこの時期に産まれた卵は、鶏が体温を維持するために多くの栄養を必要とするため、通常よりも栄養豊富になるのだそうです。
さらに、大寒は農作物にとっても重要な節目となります。この時期の厳しい寒さを乗り越えた作物は、春になって一段と力強く成長するといわれています。農家の人々は、大寒を境に春の準備を本格的に始めるのです。
厳しい寒さの中にも、春の訪れを感じさせる大寒。この時期ならではの自然の恵みを味わいながら、冬の終わりと春の始まりを感じてみるのはいかがでしょうか。