財務省と日銀は、2024年7月3日から新たな紙幣の発行を開始すると発表した。新紙幣の肖像画には、日本の近代化に貢献した3人の偉人が選ばれた。
図案(肖像画:裏)デザイン。
- 1万円札には「近代日本経済の父」と称される実業家・渋沢栄一(裏:東京駅「丸の内駅舎」)
- 5千円札には日本で最初の女子留学生・津田梅子(裏:藤の花)
- 1千円札には破傷風の治療法を開発した細菌学者・北里柴三郎(裏:葛飾北斎筆 「神奈川沖浪裏」)
渋沢栄一は、明治維新後の日本の経済発展に大きく貢献した人物。500社以上の企業を設立し、日本の近代化を支えた。1万円札の肖像が変更されるのは、1984年に聖徳太子から福沢諭吉になって以来、40年ぶりとなる。
津田梅子は、明治時代にアメリカに留学した最初の女性。帰国後、津田塾大学を創設し、女子教育に尽力した。5千円札の肖像が変更されるのは、2004年に樋口一葉から初めて女性が採用されて以来、20年ぶりとなる。
北里柴三郎は、細菌学の権威として知られる人物。破傷風の治療法を開発し、日本初のノーベル賞受賞者となった。1千円札の肖像が変更されるのは、2004年に野口英世から初めて男性が採用されて以来、20年ぶりとなる。
今回の紙幣刷新では、偽造防止の為の様々な技巧を施している、
世界で初めてとなる最先端のホログラム技術が導入される。紙幣を斜めに傾けると、肖像が立体的に動いて見える。
また、「すかし」と呼ばれる技術も採用され、肖像を映し出すだけではなく、紙の厚みを微細に変え高精細な模様が施される。
日銀は、2024年3月末までに新たな紙幣を合わせて45億3000万枚を印刷計画。